こちらもどうぞ!聴覚障害を扱った物語
聾者、突発性、中途失聴、老人性難聴者などが送る様々な人生
聴覚障害がある方は、どうしても自分が社会の少数派であり、日常の様々な出来事に対しても「自分だけが・・」という孤独感を持たれることが多いかも知れません。
しかし、世の中には思っている以上に多くの同じ悩みを持つ人々がいて、しかも健聴者顔負けの活き活きした人生を送っているという事も知って置かれる方が良いでしょう。
そういう人達は、一体どんな事を考えてどんな生き方をしているのか、それを身近に感じさせてくれる多くの小説や逸話、伝記などが存在します。
ここにご紹介する作品の中では、障害に苦しみながらも懸命に生きている多くの主人公の姿をみることができます。
作 有川浩
聴覚障害を持つ女性と、その障害ゆえに交際の仕方に戸惑う男性との恋愛物語です。
レインツリーの国というのは主人公「ひとみ」が開設している個人サイトの名前。
もう一人の主人公である「伸」が・・・・
エラリー・クイーン 作 宇野利泰 訳
重度の難聴者である主人公ドルリイ・レーンが得意の推理で数々の事件を解決していく「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」に続く名作シリーズの完結作品になります。
シリーズといっても、各作品はおのおの独立した構成になっていますので・・・・
石田衣良 作 短編集「約束」の中の1編
ある日突然に耳が聞こえなくなった少年に起こる不思議な出来事のお話です。
二年前に夫を交通事故でなくし、その後、女手ひとつで幼い子供を育てている母親尚美は、ある日突然、小学校4年生の雄太から「耳が聴こえない」と訴えられて・・・
乃南アサ 作
女子高生の麻里子の通学カバンには本人が知らぬ間に入れられていた一本の鍵が・・・・
その鍵を廻って、思いもかけぬ凶悪事件が次々と引き起こされていきます。
乃南アサ 作
前作「鍵」に続いて、聴覚障害を持つ女子高校生の麻里子を主人公とするサスペンスです。
耳の不自由な聾学校に通う男子生徒が、アルバイト先に届けられた不審なジュースを、相手の言葉をよく聞き取れないままに受け取ってしまった・・・・
西村京太郎 作
貧困な家庭に育ち、不治の病に侵された母親の看病をしながら、同僚からは「ツンボ」と仲間はずれにされ、薄給のうえに、雇い主からは「慈善事業で仕方なく雇っている」とまで蔑まれながらも、小さな町工場で黙々と働く聴覚障害の少年、佐々木晋一。
著 ダフネ・グレイ
訳 高村真理子/瀧澤亜紀
1994年9月 ヘザー・ホワイトストーンはその大会史上で初めて、聴覚障害者でありながらミス・アメリカの栄冠を勝ち取りました。審査員の口頭での質問にも堂々と口話で答えるヘザーが、実は「全ろう」という重度の障害をもっているとは・・・・
フランシス・イタニ 作 村松 潔 訳
5歳の時に猩紅熱にかかり聴覚を失ったグローニアを中心に、それを支える家族との生活、愛する家族と引き離されて入学した聾学校での学習の日々、そして成長後に互いに愛し合い結婚した健聴者の青年ジムとの暮らしも第一次世界大戦によって・・・
著 斉藤里恵
1歳と10ヵ月で病気のために聴力を完全に失った銀座の人気ホステス斎藤理恵さんのエッセイです。
厳格な家庭で育まれながらも、少女時代に辛い経験をしたり、厳格過ぎる親に反抗して「青森一の不良娘」と呼ばれるまでに・・・・
北川悦吏子 作
萩尾沙絵は天才バイオリニストとして将来を嘱望されていた美少女でしたが、ある日突然聴覚を失ってしまいました。 半分ヤケ気味に大学生活を送っていた沙絵の前にデートの代役として現れたのは・・・
秋山香乃 作
日露戦争で陸軍大将として日本を勝利に導いた立役者のひとりであった奥保鞏。 軍人としての資質や生き方を描きながらも、戦記的な要素も盛り込まれています。 しかし、最も興味深いのは奥保鞏が難聴者で、ほとんど耳が聞こえず、軍議なども筆談で行なっていたということ・・・
吉田 修一 作
テレビ番組制作会社に勤める早川俊平は典型的な仕事第一主義のサラリーマン。それが為にこれまで付き合った女性とは長続きしなかった事も、別に意に介することはありませんでした。そんな彼が公園で偶然見かけたのが響子。閉園のアナウンスにも全く反応しなかったのは彼女が聴覚障害者であったからでした。
著 アツキヨ
「アツキヨ」という音楽ユニットを知っていますか。
マツキヨなら知っているけどアツキヨは知らないという人も多いことでしょう。「アツキヨ」はアツシとキヨミという二人の構成で、ギターとボーカルはアツシの担当、そしてサインボーカルをキヨミが担当しています。 だから二人の名前をくっつけて・・・・
ペニー・ワーナー 作 吉澤康子 訳
コナー・ウェストファルは37才のローカル新聞社の女性記者兼経営者、といってもアルバイトを一人雇っているだけなので本当に小さな町の小さな新聞社。だからこそ、身近に起こった殺人事件の解明のために、社業もそっちのけで駆けまわることができるのですが・・・
著 早瀬久美
平成13年7月17日に薬剤師法が改正されて、それまであった欠格条項が廃止され、聴覚障害者でも薬剤師になる事ができるようになりました。この改正運動のきっかけとなり、この記念すべき日に晴れて薬剤師免許証の交付を受けたのが・・・
著 江時 久
「楽聖と呼ばれるベートーヴェンは、耳が全く聞こえないにもかかわらず、素晴らしい音楽を後世に残してくれた」という通説に対して、自らが難聴者でもある著者はベートーヴェンの耳は自分と同じ耳硬化症という特別な耳であり、日常会話などは無理だけれども楽器の音は聞こえていたのではないかと・・・
フィリップ・ザゾウ 著 相原真理子 訳
耳が聞こえない著者が、医者になるのにどれほどの障害を乗り越えてきたかという苦労話やそれを克服してきた自慢話を書き綴ったものではなく、どちらかというと「耳の聞こえないお医者さんと楽しい患者たち」という題名でもよいほど、実際の患者たちとの診察や・・・
著 ジェフリー・ディーヴァー
訳 飛田野裕子
聾学校の女子生徒8人と2人の女教師を乗せたスクールバスが3人の脱獄囚に乗っ取られるところからストーリーは始まります。そして廃屋となっている食肉加工場に監禁された人質を救出するために編成されたFBIの救出班がその建物を厳重に包囲して、交渉が・・・
北川悦吏子 作
新進気鋭の若手画家である榊晃次は子供の頃に聴覚を失ったために声も出せなくなっていました。そんな晃次と、都会の真ん中に実をつけた林檎の縁で偶然に知り合った女優の卵・水野紘子。簡単に言えば、この聴覚障害者の男性と健聴者の女性の恋愛物語です。
著 松本江理
この本は日本で初めての聴導犬ユーザーになった著者が、「手助けをしてくれる役立道具」としてではなく「夫や子供と同じような生活のパートナー」として愛してやまない聴導犬「美音」との悲喜こもごもな日常生活を描いたエッセイです。
作 丸山正樹
荒井尚人は両親兄弟全てに聴覚障害がある「ろう者の家庭」の中にあって、ただ一人の聴者としてこの世に生を受けました。それが為に必然的に覚えた日本手話でしたが、ある事件が元で警察事務の職を追われたあと・・・・・・
松森果林 著
小学校から高校にかけて徐々に聴覚を失っていった著者、松森果林さん。聞こえが悪くなった当初は何とかそれを隠そうと努力されたようですが、子供のことですから当然隠しおおせるわけもなく、友達のいじめや学校でのつらい体験などで心が挫けそうになっていきます。
もっとも辛かったのは自分が「障害者」である事を・・・・・・
藤田保・西原泰子 編
人工内耳、補聴器、ノートテイク、パソコン要約筆記、耳マーク等々の障害者が関心を持っている或いは持つだろうと思われる様々な事柄に関して、いろんな立場の人たちがそれぞれの体験で感じた事柄を自由に書き綴っておられます。聴覚障害者のみの留まらず、この問題に関心のある人たちには是非一度目を通して頂きたい一冊だと・・・・・・
米内山明宏 著
著者は両親共に耳の聞こえないろう者の家に生まれ、自分も生まれながらにしてろう者であるという運命にみまわれました。
このサイトのコンテンツ「聴覚障害を扱った物語」で取り上げている物語の主人公は、なんらかの病気か事故による中途失聴者であり、家族には聞こえる人たちがいて、その家族とのコミュニケーション手段としては・・・・・・
著 スーザン・シャラー
訳 中村 妙子
一般的な聴者は生を受けると同時に親兄弟など身近な人間の声を聞き、それに伴う動作や周囲の環境を考え合わせながら、自然と言葉を覚えてしまいます。つまり格段な努力をしなくても幼いうちから言語というものを理解する事ができるわけです。
しかし、インデルファンソは生まれながらの聾者であり、しかも貧しく不法入国者の家庭に育ったせいで・・・・
山本周五郎 作
舞台は幕末、日本国中の各藩が勤王につくか佐幕につくかで混沌としている中、東北のある小藩でもご多分に漏れず両派に別れて激論が戦わされていました。王政復古を唱える若き藩士谷川主計は佐幕派の首魁である老臣真鍋綱を暗殺しようとして、間違えて同士であり無二の親友でもある杉永幹三郎を斬ってしまいます。その悔やんでも悔やみきれない間違えの元となったのは・・・
マーリー/マトリン 作
日当 陽子 訳 矢島 眞澄 絵
九歳のミーガンは、今度近くに引っ越してくる家族に同い年の女の子がいると知り、会えるのを楽しみに待っています。
その女の子が耳の聞こえない子なのだろう---活発な性格のミーガンが、聴覚障害があるために内気な女の子を明るい性格に変えていく友情物語---勝手にそう思いながら読み進んでいたら・・・
文:ナンシー・チャーニン 絵:ジェズ・ツヤ 訳:斉藤 洋
ウィリアム・ホイが初出場したのは1888年ですから本当にメジャーリーガーの草分け的な存在なのですが、彼は子供の頃に髄膜炎を患って耳が聞こえなかった聴覚障害者でした。
靴屋の職人として働いている時に偶然野球の才能を見初められてスカウトされたのです。運動能力は素晴らしいものがあった彼も・・・
清水千恵・作 山本祐司・絵
オスカー・ワイルド作「幸福の王子」はわたしも大好きな作品のひとつですが、この本の主人公ゆういち君も学校の先生が読み聞かせてくれるこの物語が大好きです。
先生は次の学芸会で自分のクラスの出し物はこの物語にしようと考え、劇に出たい人を募りました。さっそく、ゆういち君は心優しいツバメを演じたいと手をあげたのですが・・・
作 有川浩
これは聴覚障害をもつ主人公の物語ではありませんが、主要登場人物に関連して、あるストーリーの中で中途失聴者の少女:毬江が大きく関わっています。そして「レインツリーの国」が執筆されるきっかけとなった小説でもあります。
笠原郁はある日、図書館内でハンカチを落としたのに気づかない少女を見かけます。後ろから声をかけても知らんぷりの彼女に「何、無視されてんの?」と気分を害する・・
作 トニーノ・ブキナスタ ジャック・オディアール
訳 沼澤 哲也
とくになんの取り柄もない35歳の独身OLカルラが、とんでもない人物にめぐりあい、とんでもない事件に遭遇するというサスペンスなのですが、この主人公が聴覚障害を持っているというのがポイントです。
そして題名でも想像できるように(つまり直訳して「私の唇を読んで」)聴覚障害であるゆえに・・・・
作 武田ティエン
カトリック系の女子高で学ぶ佐藤美波は海岸での清掃奉仕活動の最中にコケルと言う名のサーファーに出会います。もちろん、コケルというのは本名ではなくサーファーネームとでもいうものらしいのですが、このコケルさん、耳が聴こえるようで聞こえない、聞こえないようで聴こえるという、通称「サーファーズイヤー」の持ち主だったのです・・・