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 聴覚障害を扱った物語


静寂の叫び

静寂の叫び

著 ジェフリー・ディーヴァー  
訳 飛田野裕子

聾学校の女子生徒8人と2人の女教師を乗せたスクールバスが3人の脱獄囚に乗っ取られるところからストーリーは始まります。そして廃屋となっている食肉加工場に監禁された人質を救出するために編成されたFBIの救出班がその建物を厳重に包囲して、交渉が開始されます。

主人公はその救出作戦のリーダー兼ネゴシエーター(交渉人)と人質の一人であり自身も聾者である若い女教師の二人なのですが、それぞれの立場からその時々の心理状況や事件の進捗状況が緊迫したタッチで描かれている長編サスペンスとなっています。
人質解放交渉に関する(多分フィクションではないと思いますが)具体的なデータを用い、巧みな心理描写も交えて行われる、残忍非情な犯人とのやりとりは、思わずページをめくってしまう面白さがあり、途中にあるどんでん返しにハラハラドキドキさせられるたびにこの物語のエンディングが気になって仕方がありませんでした。
もちろん、人質が聾者であるがための救出作戦の難しさや、聾者特有の考え方が犯人たちに与える影響なども、この物語が聴覚障碍者を題材にしている理由のひとつだと思いますが、そういうことを抜きにしても第一級のサスペンス小説であることは間違いありません。

では、本文の中から心に残った一節をご紹介しましょう。

「やつとおれは、今ちょっとばかりやりあってるんだ。負けるのはやつだ……どうしてかって? そりゃ、悪党は単純だが、善人は複雑だからよ。勝つのはいつも単純なやつだ。なんだって最後はそうなるんだ。単純なのが勝つ。それが自然ってもんだし、人間が自然を無視すると、どんなひどい目に遭うか、おまえだって知ってるだろう。じゃぁ、おまえらはどうか。おまえら、耳が聞こえないやつらだ。おまえらは、おれみたいな人間より先に死ぬんだ。なにか必要になれば、おれは「そいつをくれ「と言える。口で言えば、おれがやってもらいたいことは誰かがやってくれる。だがおまえらは、両手でごちゃごちゃ奇妙なことをしなけりゃならない。さもなきゃ、紙に書くか。複雑だ。おまえらはできそこないの人間だ…… だからおまえらは死に、おれは生きつづける。それが自然ってもんだ。
さてと、おれはあそこにいるあのガキ、花柄のドレスを着たあいつを、あと十分後に撃つ、そのときまでにヘリコプターがここに来なけりゃな。おれは来ないと踏んでる。となると、おれの気分は、痒いのに掻けない、喉が渇いてるのにソーダが買えないってのと同じだ」
”ブルータス”はかすかに唇を歪めて笑み浮かべ、エミリーを見た。



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