本文へスキップ

マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

業者選びについて 

「知り合いだから安くしておきますね」

説明図

住宅を建てようと思い、誰か相談出来る人はいないかと周囲を見回した時に、全く住宅関係の知り合いがいないという方は少ないようです。
例えば親戚とか、学校時代の友人とか、ご近所さんとか、或いは勤務先の取引先とか、真剣に探したら一人ぐらいは見つかるのでは無いでしょうか。

そういう住宅関係の知り合いが有った場合に、その人に相談したいと言う人と、しがらみが煩わしいから敢えて相談したくないという人もいます。

しかし、どちらの場合も、知り合いの建築業者なら、そこに頼んだほうが安くできるとお思いの方が多いのではないでしょうか。
実際、知り合いに大工さんがいたり、あるいは外構業者がいたりというような場合、相談すれば必ず「知り合いですから安くしておきますよ」という話になります。
しかし、私の知る限りにおいては、「知り合いだからあんまり値切られなかった」という話はよく聞きましたが、利益は度外視して安く仕事を受けたという話は聞いたことが有りません。

理由は簡単です。
仕事としてやっている限り必ず利益を挙げ無くてはならない訳で、知り合いだからといって損をしてまでやる必要はないからです。

具体的な数字を挙げて説明しましょう。
例えば原価が100と予想される工事の見積もりをする場合、資金に余裕のあるお客さんには130の見積もりを出し、最近仕事がなくてどうしても工事を受注したい場合等には110で見積もり出すなんてことはよくある話です。
さて、知り合いから相談を受けて出す見積もりはどうでしょうか。
実は120くらいで出すのが一般的なのです。
これを「本当ならば130掛かるところですが、知り合いですから120でやらせてもらいます」と言って出すわけで、出す側からいえば値引きしているつもりなのです。

「110で出せる仕事なら、知り合いなら110で出してあげれば」と思うかもしれませんが、そう簡単にギリギリの価格を出せない建築工事特有の事情もあるのです。

工事ではなく一般の商品売買というものであれがば原価は決まっています。
例えば原価が100の商品を仕入れて、普通は130で売るところを、知り合いに105で売ったとしても、必ず利益5は出るのですから、思い切った値引きをしてもそれほど困るわけでは有りません。

ところが、建築工事というものは見積段階では原価が確定していません。予想される原価は有りますが、それは往々にしてずれるのものです。しかも高くなる方向に。

例えば外構工事を受けた場合を想定しますと、雨が続いて職人は現場に行っているのに作業がほとんど進まない、或いは、地面を掘っていたら岩盤にあたったので削岩作業が必要になった、他にも、重機が当たって隣の塀を傷つけてしまった等など。
下手をすれば原価100の予定が原価120になったしまうなんてこともよくある話です。
原価アップの原因が業者側にない場合は(例えば先程の例で地下に岩盤があった等)、本来ならお客さんに請求できるものもあるのですか、知り合いとなるとなかなか追加請求などは言い出しづらいのが実情でしょう。
こんなことから工事の見積もりをする場合には(知り合いであるからこそ特に)予備費というものを見込んでおかなくてはならない訳で、105ではなく120で出さざるを得ない場合が多いのです。

反対に、頼む側からみると、知り合いが出してきた見積もりというのは値切り難いものですし、他の業者に相見積もりをとるのも憚られて、ついつい出された見積もり金額そのままで注文してしまうことになりがちです。

つまり「知り合い」という人間関係をどちらも壊したくないという要因が安くならない秘密なのです。

知り合いに工事を頼む場合は、不当に高い価格にはなり難い反面、驚くほど安くあがるわけではないことは知っておかれたほうが良いと思います。


トップに戻るボタン

contents