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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

インテリアについて 

「家具はなるべく造り付けで」

説明図

タンスや机などの家具を建物ができてから据え付けるのではなく、建物と一体化させてオーダーメイドで作るものを「造り付け家具」と呼んでいます。
設計者が一から図面を引いたり、大工さんが現場で施主から意見を聞きながら手作りしていく完全なオーダーメイドから、建材メーカーが基本部材を用意してそれを組み合わせて作るセミオーダーまでいろいろなタイプがあります。
造り付け家具のメリットは家具と壁、天井、或いは家具同士の隙間がなく、全体としてスッキリ仕上げられることと、建物と一体化しているので地震のさいにも転倒の危険が無いことなどがあります。
住宅展示場などに行くと、当然そういう場所は来場者にハイグレードなイメージを与える事が重要なので、ほとんどの家具は造り付けになっているものと思います。
そんな空間に刺激されてついつい「家具はできるだけ造り付けで」と依頼したくなるのですが、ちょっと待ってください。

造り付け家具のデメリットも考えてみましょう。
まず、一から作るのですから量産がきく既製品よりも価格が高くなります。同じ機能のもの同士を比較すれば価格が2倍以上になることは珍しくありません。
いろいろな希望を述べて一から図面を描いてそれを元に見積もりを出してもらったら驚くほどの金額になった。しかし、自分から言いだした事なのでキャンセルするのも申し訳ないとそのまま注文したが、後日家具屋に行ったら同じようなものが3割程度の価格で販売されていて大変後悔した、というような話はよく聞きます。
次に、現場で作るよりも工場で量産したものの方が品質や精度が高いのが(もちろん例外もありますが)一般的です。特に家具は引き出しや扉などの可動部分が命ですので、精度はとても重要な要素です。家具専門の大工(あまりいませんが)でもない限り、なかなかピッタリしたものはできません。
そして最後は、家具専門の設計者でなければ、細かい部分の寸法や納まりについて、家具専門メーカーの持つノウハウには遠く及ばないということが挙げられます。例えばガラス扉の丁番などについても、専門メーカーはこれまでの経験からその扉の大きさや重さそして使い方に合わせて一番適した丁番を選んで使います。ところが大工さんが同じようなものを作る場合はその建具枠周りは自分で造作してその後のガラス扉部分は建具屋さんに任せてしまいます。そして建具屋さんは店に在庫のある(つまりいつもよく使っている汎用タイプの)丁番を使って現場合わせで取り付けることになります。ひょっとしたらその家具のデザインとは全くかけ離れた仕上がりになることもあります。それ以外にも収納内部の奥行きやハンガーパイプの取り付け位置、パイプ径、引き出し周囲のクリアランス、取っ手の位置などなど、家具を知り抜いている側から見ると「これは?」と思うような造り付け家具が現場で出来上がる事もあります。
とまあ、造り付け家具の悪いところばかりを述べてきましたが、それなりの金額を払って専門の業者に依頼すれば素敵な空間ができあがることも事実ですので、完全に否定しているわけではないことはご理解ください。

ただし、コストパフォーマンスをお望みの方には、造り付け家具よりも既製品の家具をお探しになることをおすすめします。
それも、建物が完成間近になってから家具屋さんに足を運ぶのではなく、住宅の間取りを検討している段階で、できるだけ多くの家具屋さんで品定めをされることをおすすめします。気に入ったものがあればそれに合わせて建物の寸法を調整することも可能でしょうし、転倒防止金具を取り付ける為の補強下地を壁や天井に入れてもらうように建築業者に依頼することもできます。
インテリアコーディネイトの立場からも予め家具の形や色が決まっていたほうがクロスやカーテンなどを決める際にも好都合です。
それになりよりも、新生活を思い描きながら家具選びをするのはとても楽しいことですから。


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