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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

地盤について 

「しっかりした土留があるから大丈夫」

説明図

家づくりの為に土地探しをすると判るのですが、本当に平坦な敷地というものは数少ないものです。 ほとんどが幾らかの勾配がついていたり、道路や隣地との間に段差や崖などがあるはずです。
もちろん建て替えの場合も同じで、今住んでいる敷地の内外に段差も勾配が無いというケースはあまり無いのではと思います。

そしてその段差や勾配を解消するために使われているのが一般にいう土留(擁壁)です。
土留と擁壁はどこが違うのかという話になるとややこしいのですが、関連法規では擁壁と書かれているので建築関係者は擁壁と呼ぶことが多いのに対して、一般の人は土留と呼ぶ事の方が多いでしょう。よって、このページでは土留と呼ぶことにします

さてこの土留。コンクリート製とか石積みやブロック積みなどの様々な構造や方法があるのはご承知かと思いますが、それぞれの土留が本当に安全かどうかは素人判断ではなかなか区分けがつかないものです。
それなのに、不動産業者が土地を勧める場合や、建築業者が見積もりを出したりする際に、既存の土留に対してよく使われる言葉が この「しっかりした土留があるから大丈夫ですね」。

もちろん、不動産業者は土地を売りたい訳ですから、安全かどうか定かでない土留に対しては(建築業者が後で実際の設計に際して安全確認するわけだから)いたずらに不安を煽るような事は言いたくないので当然そうなります。
そして、建築業者にしても、傾いたりはらんだりしているなど明らかに不安定な外観をしていない限りは、むやみに地盤に関する予算を計上して肝心の住宅本体の予算を削減するようなマネはしたくないわけですので、ついつい「しっかりした土留」という表現をしがちなものです。

土留の安全性については、建築確認や公的検査でチェックされるのではと考えておられる方も多いかもしれませんが、基本的には建築士が安全を確認しているという表記がされていればほとんど素通りしてしまいます。
建築士の安全確認といっても、その土留の断面や地盤強度や劣化などを詳しく調査して判定するなどという事はほとんどなく、「コンクリート製のL型擁壁」や「間知石積み」、「擁壁用コンクリートブロック積み」などで、外観上の異常が無ければほとんどはOK としているのではないでしょうか。
既存擁壁の安全確認チェックシートなどもありますが、実際は、宅造などでその構造を申請して検査を受けたなど公にある程度認められた土留以外は、後から外観だけを見て安全性を確認するなどは土台無理な話で、本当にチェックするつもりなら、地盤の強度や地質についてのボーリング調査や構造体の一部破壊も含めた材料強度と裏込め状態の確認などが必要ですが、そんなことをすればかなりの費用がかかったしまいますのでほとんど実施されることはありません。

特に、まだ契約してくれるかどうかもわからないお客に対して、そんな費用をかけて安全性を確認するわけはありませんから、どうせ判断がつかないものならば自分にとって都合の良いように、「しっかりした土留」と言っておく事になります。
問題は、このように契約の前段階で「しっかりした・・」と表現した土留に対して、契約後に再度、詳細な調査をしてくれるかどうかですが、大手の住宅会社なら独自の判定基準をもっていて再度安全確認をする所もあると思いますが、万一OUTという判断が出た際には、当初話した内容と異なるということでクレームがつく可能性もあり、最悪は解約ということにもなりかねませんから、できるだけOKとなるように持っていく可能性のほうが高いでしょう。
このように、土留めについては、業者サイドは「危険性は少ない」と思わせるように話をしてきますので、施主側としては本当に良く注意するように心がける必要があります。

土留については特に次のような点に注意して頂きたく思います。

★ 隣地の方が高くて、その土留上に近接して家が建っているような場合、その土留については(所有物ではないので)自分ではなんの調査も補強も出来ないわけですから、倒壊する可能性も考えて計画する必要があります。

★ 建築用ブロックは土留としてはほとんど効果はないので、高低差50センチ以内までとし、しかも隣接して建物を建てないようにして下さい。

★ 隣地が低く既設の土留が有る場合に建物を近接して建てざると得ない場合は、一部の基礎を深基礎にするなどして、その土留に土圧がかからないようにする必要があります。

実例として、通勤途上で見かけた危険な土留物件も数多くありましたので、以下3つほど参考のためにご紹介します。

◎ 道路面から高さ80センチの建築用ブロックで立ち上げた敷地上に平屋の住宅が建っていたのを、土留はそのままに2階建てに建て替えた。
(当然、土留を強固なものに作り変えるか、基礎を深基礎にすべき)

◎ 道路面から2m以上の高さで建築用ブロックの土留があり、その上に住宅が建っている。ブロックに傾きやハラミがある。   
(いつ倒壊してもおかしくない土留なので、絶対近寄らない)

◎ 駐車場を広げるため既設建物の基礎ギリギリまで掘削し、その段差60センチの地盤断面部分にモルタルを塗りつけた。   
(外観上は高基礎にみえるが、土留としての効果は全くない)


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