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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

設計、間取りについて 

「外構なんて後でゆっくり考えれば」

外構工事説明図

家づくりというと、とかく住宅本体だけを考えがちですが、それ以外にも設備や家具、そしてこの項で述べる外構なども重要な要素です。
なかでも、カーポートや門扉、物置、フェンスと言った外構計画は、後々簡単に変更できないものだけに、間取りを考える段階で同時に検討してかかるべき項目です。

しかし、建築業者等との打ち合わせ段階ではあまり重要視されることはないようです。それどころか、間取りも決まり工事請負契約の段階になっても外構の話が全くでないこともあります。
ひょっとして、外構に関する話をしてみたら、「外構なんて家ができてからでも出来る話ですから、後からゆっくり考えればよいのではありませんか。住んでみてから初めて気づくこともありますので、そんなに慌てて決める必要もないと思いますよ。」などとごまかさせる事もあるかもしれません。

どうして建築業者は外構というものをおろそかにしてしまうのでしょうか。
それは一つの物件で利益を最大化したい事も大きな要因になっていると思います。
まず、建築業者というものは住宅の建築が本業です。そこにこそ各業者のノウハウが詰まっているわけで、だからこそ利益の幅も一番大きくなっています。
それに比べて外構工事はどうかというと、ほとんどは下請け外構業者に丸投げして、見積もりも外構業者の見積もりにいくらか上乗せして出しているにすぎません。もともと外構についての設計ノウハウも施工ノウハウも外構業者がもっているのですから利益もそんなに多くのせることはできないわけです。
例えば住宅本体工事の利益率が30%であったとすれば外構工事の利益率は10%しかないというようなわけです。
施主の予算が限られている場合(ほとんどは限られた予算でやりくりするわけですが)、その予算をできるだけ建築本体工事にかけてもらった方が利益が上がることになります。
では、外構工事の利益率も30%にすればよいかというと、そんなわけにはいきません。
例えば外構業者見積もりが100万円の工事があったとします。建築業者はそれに30%を上乗せして130万円で施主に見積もりを出すとします。施主が他の外構業者から相見積もりをとれば100万円程度の見積もりがでるわけですから、施主は建築業者の価格に割高感を感じますし不信感を覚えることにもなります。もし契約前であれば建築工事そのものも「割高なのではないか」と思われ、最悪の場合はキャンセルされることにもなりかねません。ですから外構工事にそんなに利益を上乗せしては出せないわけです。

よって、「外構なんてゆっくり考えれば」といって当初の建築予算の対象外にしてしまった方が都合がよいのです。その予算をフルに建築工事にかけてもらえば高い利益率が得られるのですから。
もっとも、予算に余裕がある施主に対しては外構工事も一生懸命提案してきます。予算に余裕がある場合は相見積もりを取られることも少ないので利益を乗せやすいし、例え利益率を低くしたとしても利益総額は増えるわけですから。

外構工事は後からでも


こんなことで、一般的に建築業者は外構工事をあまり重要視しません。しかし、先にも述べましたように、外構計画は建築計画と密接に関連するとても重要なものです。
建物ができてしまってからカーポート寸法に余裕がなくて車のドアの開け閉めに問題があったり、外部階段が思ったより急勾配になって上り下りが大変だったり、エアコンの室外機が邪魔してデッキテラスが狭くなると言った外構にまつわるトラブルは、初めからしっかり計画しておきさえすれば未然に防ぐこともできるはずです。

ですから、建物の間取り計画と同時に外構計画も提案してもらうように建築業者に初めから依頼しておくことを強くお勧めします。
各社が競合している段階で、「外構提案も重要な判断要素」だと伝えておけば、決しておろそかにはされないものです。当然、下請けの外構工事業者に頼んで図面と見積もりを出してくると思いますが、ひょっとしたら「外構計画は作りましたが、工事金額は当社を通すと高くなるので直接外構業者と取引された方がお安くなりますよ」との言葉が添えられてくるかもしれません。もしそうなら、その外構業者を紹介してもらって直接取引をしてもよいし、その計画図面を参考にして他の外構業者に見積もりを頼んでもよいでしょう。
もっとも多少金額が上がっても建築業者に一式任せてしまった方が良いという考え方もあります。ハイリスク・ハイリターンとローリスク・ローリターンはどんな場合もついてまわります。

いずれにしても、外構をどうするかという事は、間取りや外観デザインを考えることと同様にとても重要なことだという事を改めて認識していただければさいわいです。




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