本文へスキップ

マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

屋根について 

「屋根勾配は急な方が良い」

説明図

屋根は古くから様々な屋根葺き材を重ねあわせて作られてきました。
藁葺き屋根、茅葺き屋根、桧皮葺屋根、瓦葺き屋根等々ですね。

こういう重ね葺き屋根の場合は、その重ね代が長いほど、そして勾配が急になればなるほど、雨は逆流もせず早く流れ落ちてしまいますので、雨漏りの心配が少ない事になります。

一方、屋根勾配が急であればあるほど屋根の構造材が多く必要になりますし、床面積の割には屋根面積が多くなるので材料費だけでもかなりの金額像になります。
加えて、施工するにも足場が悪いため作業性が落ちるのと、危険なので足場なども必要になり、工賃もかなりの負担増になります。

つまり、屋根勾配は「急なほど良いが建築費も高くなる」ので、寺社建築や裕福な家の屋敷などは急勾配が多く、庶民の住宅になればなるほど勾配が低くなる傾向にありました。
勿論、積雪の多さや屋根を葺く材料の種類によって一概に言えない面もありますが、一般的にはそういう傾向があったことは間違いないでしょう。

そんなわけで、現在でも、家づくりの段階になると「屋根勾配は急な方が良い」という言葉はよく耳にします。

ところが、最近ではハウスメーカーなどがシンプルモダン系のデザインを売りにしたりして屋根勾配も実に多くのバリエーションが見られるようになってきました。
長尺材や防水材との併用などで昔ほど雨漏りのリスクを重要視しなくても良くなったこともその要因の一つでしょう。
勿論、屋根勾配が急な重厚なデザインを好む方も多くいらしゃいますが、都市部では軽快な緩勾配屋根に魅力を感じる若い方も増えてきたようにも思います。

さて、本当のところ屋根勾配は何度の角度が良いのか?
こんな質問を受けることも多いのですが、
そんな時は次のような急勾配のメリットとデメリットを挙げて、一緒に検討することにしています。
自分の望んでいる或いは必要としている条件にどちらが適うのかを一つ一つチェックしてくいくと自ずと結論がでてくるようですのでご参考にして下さい。

では、現在の視点にたって屋根勾配の緩急について考えてみます。

急勾配屋根のメリットとして以下の諸点があげられます。

◎ 雨漏りのリスクが低い
◎ 屋根面の汚れが流れやすく耐久性が高まる
◎ 必然的に屋根が高くなり家が大きくて立派に見える
◎ 屋根裏利用がしやすくなる(小屋裏収納など)
◎ 天井と屋根の間の断熱性が増し、換気も取りやすい
◎ 積雪地では雪が積もり難い

逆に急勾配である事のデメリットとして次のようなものが考えられます。

■ 建築費が高くなる
■ 屋根のメインテナンスに足場が必要になる
■ 風の影響を受けやすいので台風や突風に対して不利になる
■ 屋根の重量が大きくなるので地震に対して不利になる
■ 屋根高が高くなるので北側敷地に日照の影響がある
■ 積雪地では雪下ろし作業が困難

どうでしょう。少しは参考になりそうですか。

検討の段階で「一般的に多く使われている屋根勾配は?」との質問も多く頂きました。
屋根勾配は普通「寸勾配」で表しますが、一般的には4寸から5寸勾配の間が多いと思います。
「寸勾配」というのは「水平方向10に対して垂直方向にいくつか」という値です。
水平方向に2m行ってその部分の高さが1mあったとしたら、その勾配は5寸勾配ということになります。建築屋はその方がピンとくるのですが一般の方には分かり難いですよね。 換算してみると以下のようになります。

3寸勾配----17度
4寸勾配----22度
5寸勾配----26度
6寸勾配----31度
7寸勾配----35度
8寸勾配----38度
10寸勾配---45度
12寸勾配---50度
17寸勾配---60度

ちなみに、一般的に急勾配というのは6寸以上を言う事が多いと思います。
(それ以上だと足場が必要になったりして施工費が割増になる業者が多いようです)

逆に3寸未満は緩勾配と呼ばれ、瓦ではなく鋼板やゴム系の長尺材でないと保証されない場合が多くなります。

急勾配の中でも特に角度の大きいものとして北欧などの三角屋根や白川郷の合掌造りなどが挙げられます。前者は10寸から12寸ぐらいが多く、合掌造りの急なものは17寸勾配もあるようです。

いずれにしても機能面、コスト面、デザイン面などいろいろな要素を検討して、ご自分の計画にピッタリの屋根勾配をお選びください。
(もちろん建築基準法上の高さ制限や斜線制限などの制約もありますのでお忘れなく)


トップに戻るボタン

contents