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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

住宅設備について 

「24時間計画換気だから換気は充分」

24時間計画換気だから換気は充分説明図

一昔前までは「シックハウス症候群」という言葉を家づくりの際によく聞いたものです。
新築住宅などで、建材等に含まれているホルムアルデヒドなどの有害物質が空気中に拡散し人体に悪影響を与えるというもので、その対策として、建材中の有害成分を規制したり、高気密住宅で陥りやすい換気不足を解消する目的で24時間計画換気が法律で定められたりしました。

その効果もあって、最近の新築住宅では以前ほど「シックハウス症候群」に悩まされる人も見かけなくなりました。
もっとも、人によって感じ方や身体の敏感度合いも違いますので、ほとんどの人が何も感じない室内においても「目がチカチカする」「せきがでる」などの症状を訴える人も無いではありませんが、それでも昔の新建材を多用した新築住宅と比べると雲泥の差があります。

さて、このようにシックハウス症候群にかなりの効果を発揮している計画換気ですが、現在では建築確認申請時に換気計算を添付しなくてはなりませんので、機種選定や設置場所については、ほとんど設計者に任されているのではないでしょうか。
建築業者も「換気については24時間計画換気で設計していますからお任せ下さい」と、なんの説明も相談もなく決めてしまっているのが実情だと思います。

換気扇の画像
では、本当に、換気については業者サイドにお任せしてしまって良いのでしょうか。

いいえ、そうでは有りません。
換気計画についても、各家庭それぞれの事情により、独自の換気装置を必要とする場合があるのです。

一般的な24時間計画換気においては、居室や廊下に面するドア下に一定の開口部(隙間)を空気の通路として設定していますから、ある部屋で発生した臭気や騒音などもその換気経路を伝って他の部屋に流れて行くのが普通です。
例えば、楽器が趣味の人がいれば出来るだけドアからの音漏れを防止してやったほうが良いわけですので、防音タイプのドアにして換気はその部屋だけで成り立つ気調換気扇にするとか、プラモデルとか電気工作が趣味な人がいれば、作業台の前の壁面に局所換気扇を追加してやるなどの配慮も必要になるかと思います。

そういう特殊な場合以外の一般家庭でもお勧めしたいのが「食卓上の天井に少し大型の換気扇を設けること」です。
どの住宅でもキッチンコンロ部分のレンジフードは当然設置されますが、ダイニングテーブル上に換気扇を設けている住宅はまだまだ少数派だと思います。

でも、テーブルの上にカセットコンロを置いて鍋物をしたり、ホットプレートで焼肉や餃子を焼いたりするご家庭は多いのではないでしょうか。

食卓での鍋物


そんな食事をしたあとは家中にその臭いが充満して中々消えなかった、という経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

ダイニングの天井に換気扇を設けて、必要なときだけ強制排気してやれば、そんな悩みもかなり改善するわけです。
勿論、必要な時だけの換気ですので、24時間計画換気とは分離して考える必要があります。

天井用換気扇といっても色々な機種がありますが、私は少し大きめの低騒音・大風量形がいいと思います。
ダイニングの天井用というと、業者としては施工がし易い排気パイプ径100mmの24型を薦めてくるかもしれませんが、できればパイプ径150mmの32型ぐらいの方が良いと思います。時間あたりの排気量が倍以上も違います。
具体的には「パナソニックFY-32CK7」相当品などはこれまでも良く使ったものです。(この換気扇を使っても焼肉の煙などに対しては性能不足を感じますが、流石に焼肉店のようにフード付きの強力換気扇を付けるわけにもいきませんので。)

24時間計画換気だからといって業者任せにはせず、ご家族の生活スタイルに合わせて、少し換気計画を見直してみられては如何でしょうか。




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