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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

地盤について 

「平均的な地盤面で設計(見積)しています」

説明図

家づくりのはじめの段階では、どこの建築業者と接触したにしろ、ほとんど最初の段階から間取りの提案や簡易見積などのプランを提供をしてくれると思います。そういう「たたき台のようなもの」がないと、それ以上突っ込んで具体的な話に持って行くことが困難だからです。どんな家がいくら位の予算で建築できるのか、という不安を持ったまま、その業者との関係を深めていくような事はまずありえませんので、どうしてもなるべく早くその客の気に入りそうなプランを提案したくなるものです。

さて、そういう初期段階の提案でよく使われるのが「平均的な地盤面で設計(見積)しています」という言葉。
ここで平均的な地盤面というのは、その敷地の地盤面の平均的な高さを(大きな敷地であれば、建物を建てる周囲の平均的な高さを)表していることが多いと思います。
つまり、地盤に少し傾斜があろうがなかろうが「建築予定地の地盤がその周囲の地盤面の平均的な高さで平坦になっていると仮定して」という言葉の略と考えて間違いありません。

その敷地が造成地のような平坦な敷地ならば、いちいちそんなことをいう必要もないのですが、完全に平坦な土地は少ないことから「平均的な地盤面で」と敢えてことわりをいれるわけですね。
(ただし、確認申請などで用いられる建築基準法上の「平均地盤面」は敷地全体について細かく平均値を計算して求めていますので、例えば平坦な敷地の端に高い土留などがあり境界線はその土留の外側であったような場合は、平均地盤面はその平坦部分とはかなりかけ離れた高さになってしまいす。)

さて、ここで注意が必要なのはこの平均的な地盤で設計したプランや見積が「最初のたたき台レベルのもの」であるにも関わらず、その後の打ち合わせから契約に至るまで、そのまま適用されてしまうことが往々にしてあることです。

本来、具体的な段階になったら、つまり概算見積ではなく正式見積に入る前、或いは契約図書の作成に入る前には、レベルなどの測量機器を用いて正確に地盤面の高さを測定し、それに合うように設計して見積もりするのが正しいやり方です。しかし、契約を急ぐあまりにそれを省いてしまったり、測量をしたにも関わらずその結果を見積に反映し忘れたりして「平坦な平均的な地盤」という仮定のままで契約してしまうことがあるのです。

そもそも、どの建築業者であれ、その業者の定めている標準基礎断面は周囲地盤が完全に平坦であることを想定してできています。
ですから、造成地などのように、完全に平坦な地盤面であれば標準基礎のままでも良いのですが、少しでも地盤に傾斜があるような場合には標準基礎断面をそのまま使うわけにはいきません。
そのまま使うのであれば、傾斜のある地盤を平坦に造成する必要があります。
そうでなければ、傾斜に合わせた基礎断面に設計しなおさなければなりません。

いずれの場合にも、造成費用や外構費用、あるいは基礎工事費用が余分にかかりますから、契約後の金額トラブルの要因になりかねません。客側から言えば「そんな費用が発生するなんて聞いてないよ」ということですよね。でも、業者側からすると「あの見積は平均的な地盤と仮定しての話でしたから・・」となるわけです。

そういうトラブルを事前に回避するためには「平均的な地盤面」という仮定の話ではなく、実際の地盤面に合わせた設計と見積にしてもらってから具体的な段階に進行していくような注意が必要になります。
傾斜地盤を解消する方法として、造成や外構などで調整した方がよいか、或いは基礎断面で調整したほうがよいかはケースバイケースです。建築業者によっても異なることでしょう。
傾斜がきつければかなりの追加金額のなることも予想されますので、このような検討はとても重要なことです。

「ぱっと見」では平坦に見える敷地でも、測量してみると結構な傾斜がついているようなことも多いのです。
実際、10メートルの長さで高さが30センチ程度の傾斜なら一般の人なら平坦に見えるかもしれません。(1メートルで3センチですから、想像してみてください)
でも、この30センチという傾斜は建物を建てる時には馬鹿になりません。
例えば、この場合に高さの平均をとって低い方から15センチの辺りを設計地盤面として標準基礎断面で工事をすると、
低い方では、本来地盤下に隠れるはずの建物内部からの配管類が地表にでてくる可能性がありますし、
高い方の地盤面では本来の基礎高より15センチも低い基礎高になるわけですから雨水等が基礎内部に浸透しやすくなる訳です。

このような建物の長さに対して30センチ程度の傾斜をもった土地に建てられた住宅を見たことがあります。
そこは低い方の地盤面に合わせて建てたために、高い方では標準的な基礎高よりも30センチほど低い基礎高(つまり地表から10センチ程度)しかない基礎になっていました。あれでは基礎内部が半分地下になるわけですから湿気の多い床下空間にならざるを得ないでしょう。
どのような経緯でそうなったのかは詳しくは知りませんが、多分このタイトルと同じような言葉がつかわれたいたのではと推察されます。


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