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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

地盤について 

「念の為に地盤補強を」

説明図

住宅の品質確保の促進等に関する法律(略して品確法)により、住宅の請負業者には住宅の主要な部位の瑕疵に対しては10年間の保証義務があります。

これは平成12年に施行されたものであり、それ以前には、契約書に瑕疵担保責任は1年と書いてあれば、業者はそれ以降、例え家が傾いても基本的には補償する必要がなかったのです。

悪質な業者の欠陥住宅が増えてきたので、国がこういう法律を作って、仮に契約上は瑕疵担保責任は1年となっていようがいまいが無条件に業者に責任を負わす制度を作ったわけです。

いかにも消費者の立場に立った良い法律のように見えますが、「安心や安全はタダでは買えない」という言葉どおり、これ以降住宅の価格は上がり、結局は消費者にその付けが廻ってきています。

特に目立つが「地盤補強」。

昔は一般住宅程度であれば、杭打ちとか地盤改良材を用いた地盤補強などはほとんどやりませんでした。
河川の近くとか田圃の埋立地とか造成して嵩上げした土地などの危険要因があればそれなりに対処はしましたが、それ以外は現場の地面に鉄筋を打ち込んでその加減を見たりする程度ですぐに基礎工事に入ったりしたものです。

それでも、地盤が原因で家が傾いたなんて事故はほとんど起こらなかったものですが、数ある業者の中にはやはりいい加減な業者もいて、明らかに軟弱地盤であることが予想される土地にも関わらず、なんの地盤補強もせずに建築して事故を起こすものもいたわけです。

つまりしっかりした業者に頼めば地盤についてもそんなに心配しないで済むのに、いい加減な業者に任せれば地盤について負うリスクも高かったわけです。もちろんいい加減な業者の方が値段は安いわけですので、値段に惹かれて業者の良否を選択する手間を惜しんだ代償とも言えたわけですが。

ところが、品確法が出来て、10年間の保証義務を負うことになったので、どの業者も地盤補強をすすめる様になりました。

まず機械を用いて地盤調査をして、その結果を元に地盤補強方法を決めるわけですが、まず大丈夫かなと思っても、万が一地盤が原因で建物に被害が出れば無条件に業者が補償しなければなりませんから、どうぜ地盤補強費用は施主が負担するわけですから、「念の為に地盤補強はしたほうがいいです」となるわけです。

地盤補強費用は平均的に50〜100万円くらい、下手すると何百万の単位になることがありますので、念のため程度で払うとしたら馬鹿にならない金額ですね。
(私は一般住宅で1500万円の地盤補強をした話を聞いたことがあります。)

じゃあ施主が「地盤補強はしなくてもいいです」と言ったらどうなるでしょうか。
品確法では、例え施主がなんと言おうと業者の責任は免れないようになっていますので業者側も困ってしまいます。
そこで「地盤補強をしないと当社としては保証出来ません」ということになり、そう言われればやむを得ず地盤補強をせざるを得ない羽目になります。

勿論、地盤補強が必要な土地なら当然必要な出費なのですが、多分、現状は地盤補強をしている土地の8割程度は本来地盤補強をしなくても大丈夫な土地なんだと思います。
この法律ができて以降、本来不要なのに支払わされた施主のお金で大儲けしているのは地盤工事業者というわけです。

私は「施主の同意があれば業者は責任を負わなくても良い」というように法律を改正すべきだと思いますし、そもそもこんな法律は要らなかったと思いますが。

さて、では施主サイドとしてはどうしたらよいのでしょう。

各業者共、どの程度の地盤強度ならどんな地盤補強をすべきかという判定基準を持っています。
もちろん自社独自の基準を作っている所と、地盤調査会社の判定基準をそのまま採用してる所とあるでしょうが、同じ土地に建てるにしても必要とする地盤補強の方法も金額も業者によってかなり差がるのが実情です。

地盤調査を無料でやってくれる業者があれば「地盤調査報告書」を作ってもらって、それを元にして、検討したい業者に「この報告書どおりの地盤だったら地盤補強費用はいくらになりますか」と聞いてみるのも良いと思います。

勿論、実際にその業者で建てる場合は(他社のデータを元に建築したものを保証できないので)その業者で再度地盤調査をしなくてはならないでしょうが、業者選定の際の重要な判断基準にはなると思います。

又、同じ地盤でも、住宅の構造や重量、基礎の設計強度などにより地盤補強の必要性は異なりますが、もし業者が「地盤補強をしなくても保証できる範囲に入りますが、念の為に地盤補強をしておいた方が良いのでは」という説明をする程度の地盤なら、敢えて無駄なお金を使う必要は無いような気がします。


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