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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

インテリアについて 

「自然素材がもっともエコ」

説明図

「内装素材をなににしようか」と悩む事は、最近はあんまり無くなりました。

というのは、ほとんどのハウスメーカーにしろ中小工務店にしろ、内装素材について標準化してしまっており、その決められた素材の中で、色なり柄なりを選ぶようになってきているからです。

施主サイドとしても、「さあ床は何を使いますか、壁はどんな材料にしましょうか、天井は?」などときかれるよりも、「天井、壁、床それぞれこれだけの中からお選びいただけます。さあ、ご自由にお選び下さい」と言われたほうがよっぽど面倒くさくありませんので。

さて、その是非についてはさておき、最近内装材として人気のある自然素材について考えてみましょう。
たとえば、漆喰塗りとか珪藻土塗りとか天然木等々の化学物質を含まない仕上げ材たちのことです。

「自然素材は人間にとって優しく、しかも最もエコで優れた内装材です」という風にPRされたりしていますが、はたして本当にそうなのでしょうか。

確かに天然木の床材の足触りのよさとか、漆喰壁の調湿作用による乾湿変化の少なさとか、優れた点も多分に持っている自然素材なのですが、汚れがつきやすく取れにくいとか、ヒビ割れが起きやすいなどのマイナス面も併せ持っています。
どちらを優先するかは施主の好みですのでそういう機能面について問題にするつもりはありません。
ただ「自然素材が本当にエコ」という点については疑問に思います。

エコとは、ご存知のごとく、エコロジー(環境にやさしい)とエコノミー(経済的)の二つの意味、特に二つを合わせて表現する場合に用いられる言葉です。

本当に自然素材のほうがエコなんでしょうか?

例えば、壁材としての漆喰(しっくい)塗りとビニルクロスを比べた場合どうでしょうか?
漆喰の主原料は石灰ですが、原材料は確かに自然素材ですが、工場で漆喰材料として生産する段階でそれなりのエネルギーを費やし、二酸化炭素を出し、産業廃棄物もでます。
ビニルクロスは石油化学製品である塩ビが主原料ですから材料だけみればエコとは言いがたいし、製造過程でエネルギーを使い、二酸化炭素を出し、産業廃棄物を出すのも同じですが、実は、同じ壁面積を仕上げるのに必要な量は漆喰に比べて遥かに少ないので、製造段階で環境を害する度合いも遥かに少ないのです。

しかも、運送にかかるエネルギー(例えば輸送トラックの石油系燃料)も、同じ面積を仕上げる場合の重さは全く違いますので雲泥の差があります。
この運送で消費する石油量の差だけでビニルクロスに使われている石油の量なんて軽く吹っ飛んでしまう事でしょう。

次に建築現場での施工段階ではどうでしょう。
漆喰塗りは最低でも2回塗り、通常は3回塗りしなければなりません。
要するに施工職人が何度も現場に足を運ばなければなりません。
それに比べてビニルクロスの施工はあっという間に終わります。
例えば同じ面積を仕上げるのに漆喰職人が10日かかる現場ならクロス職人は3日で終わらせる事ができます。
この7日の差はどれだけ環境に影響をあたえるでしょう。
自宅から現場まで通う車のガソリン消費、車から出る排気ガスなど、どれだけ漆喰塗りの方がエコロジーで無いかが判ると思います。

エコノミーという面でも、ビニルクロスのほうが漆喰塗りよりも圧倒的に低コストですから、はっきり言ってビニルクロスの方が漆喰塗りよりも断然エコなんです。
詳しくは述べませんが、床材としての無垢フローリングと一般的によく用いられる複合フローリングの場合でも、同様に、複合フローリングの方がエコなのです。

私は決して、自然素材を使うのを否定するものでは有りません。
事実、積極的に自然素材を提案して採用してもらったことも多々あります。

ただ、自然素材を使う場合は「自分にとって快適な空間を作る」代償として「もっと環境に優しい材料を選ぶ努力を怠った」ことは自覚しておく必要があるのではないかと思っています


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