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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

電気について 

「電気の引き込みについてはお任せを」

説明図

家づくりも具体的な段階になり、詳細な設計打ち合わせや内外装の材料選びなど、施主サイドとしても頭を悩ます作業が多くなってきます。
勿論、電気関係についても、スイッチやコンセントの位置や数量、照明はどの位置に、そしてどんな器具にするか等々、細かい打ち合わせも多くなってくるでしょう。ことに最近では、インターネットの接続方法やテレビの受信についても、光ケーブルやケーブルテレビ会社などが様々なサービスを提供していますので、その方の打ち合わせにも時間をさかれる事が多くなりました。昔のように、電話はNTTでテレビは屋根にアンテナを載せればハイおしまい、という時代が懐かしくもあります。

さて、そんな電気関係の打ち合わせの中で、いとも簡単に通り過ぎてしまう項目があります。
それが、電気の引き込み位置です。

電気の引き込みは通常、道路に建てられている電柱から建物の軒先や外壁に電力会社が引き込みます。
欧米では電柱を建てずに地中や建物の軒下などを配線してスッキリとした町並みを形成している所も多いのですが、日本では一部の景観を重視する都市部でしか無電柱化は進んでいませんので、大多数の戸建住宅には引込線が入っていると思います。

「ポール建て引き込み」といって、敷地の道路際にポールを建てて、まず電柱からそのポールに引き込み、その後は地中を通って建物内部に引き込む方法も有りますが、価格が高くなる事とそのポール自体があまり格好が良くない事もあり、実際に採用しているケースはほとんどありません。

さて、その電気の引き込みについての打ち合わせでよく使われる言葉が、
「電気の引き込み位置については電力会社の規定などもありますので、どうぞこちらにお任せ下さい」

このように一応のお断りが入ればまだ良い方で、なんの相談もなく勝手に電気工事業者と工事担当者で決めてしまって、完成してから初めて引きこみ位置について知ることになるケースも少なくありません。

先日、通りを歩いていて、道路に面する外壁のど真ん中に引き込み線が入っている住宅を見てビックリした記憶があります。
その家は切妻屋根の2階建てで、その妻側が道路に面していたわけですが、人間の顔で言うと丁度鼻の頭から電線が伸びているような格好で、また、その位置に電話線も地デジ用のアンテナもついていましたので、さすがに「これは?」と誰もが思うような工事がされていました。
多分、事前に施主との打ち合わせでそのような位置に引き込む事が決められたはずもなく、電気工事屋さんが工事がし易いように勝手に決めて電力会社に引き込み申請をしてしまったのでしょう。

さて、電気の引き込みについてのルールはどんなものが有るかというと(各電力会社や自治体の規定によって異なるケースもあると思いますが)、引込線の下端が道路上では5m、敷地内では地表から2.5m以上と規定している所が多いと思います。
つまり道路にあっては車の通行の障害にならない高さに、そして敷地内にあっては人が容易に手を触れることの出来ない位置に、ということですね。

次にその引き込み線取付点から電力メーター(積算電力計)につながるわけですが、そのメーターについては、下端が1.8m以上、上端が2.2m以下の高さに取付位置が来るように指導している電力会社が多いようです。
つまり今度は、子供では手が届かないけど、脚立等で簡単に点検できメーター確認も容易な位置、という事になりますね。

昔は引き込み取付点からメーターまでは直接外部配管でもっていったものですが、最近はその間の配線は壁内に隠蔽するようになりましたので、メーターの取り付け位置についてはかなり自由度が高まりました。
メーターの検針員が自由に出入りできてメーターを確認できさえすればいいので、道路面に面した正面にわざわざ取り付ける必要はありません。
建物の側面に、道路面から覗けるように直角に向きを変えて取り付けることも多くなりました。
検針員がメーターのすぐ近くまで行けなくても、道路から双眼鏡などで検針できればいいようですので、外構工事で門扉やフエンスなどを作って、検針員が勝手に出入り出来ないようにしている所も多いようです。

次に、電力メーターから屋内の分電盤までの配線(幹線といいます)は基本的には8m以内とするように決められています。幹線の距離が長くなればなるほど電圧降下が大きくなりますから、ある程度の規制があるのは当然ですね。但し、一般住宅であれば、幹線の長さが7mであっても1mであってもさほどに違いはありませんので、無理やり分電盤をメーターの近くに持っていく必要はありません。

さて、ここまでの話で、電気の引き込み位置をわざわさ道路面の正面中央などの見苦しい位置に持ってくる必要はないことが判ると思いますが、ではどうして先程の例のような事が起きるのでしょうか。
それは、その位置決めを電気工事屋さんがすることが多いからです。

電気工事屋さんの立場からするとこうなります。
分電盤の位置は通常は屋内の美観を損ねず点検しやすい場所にする事になりますので、洗面所とかキッチン横のクローゼットの中とかに取り付けることになります。
(最近は浴室がシステムバスになってその天井裏空間が配線を通しやすいものですから洗面所の浴室側上部に取り付けるケースが増えてきています)
さてそうなると、分電盤のなるべく近くの外壁に電力メーターを持ってくるのが一番工事が簡単な上に、電線も短くて費用も少なくて済みますので、特に指定がない限り、そのような位置に決めたくなります。

そのようにして電力メーターの位置が決まれば、引き込み位置はそのメーターの上方でなるべく近くにするのが最も好都合という訳です。
多分先程の例では、道路面に面する丁度真ん中の一階部分に分電盤があったのだと思います。

最近は、ハウスメーカーや住宅ビルダーなどは、出来るだけ規格化した住宅を提供するようになってきました。
そして業務の効率化の面からも、物件毎に下請けの電気工事業者に見積もりをとるのではなく、事前に工事区分ごとに料金の取り決めをしている所が殆どです。
つまり、電気の取り付け位置からメーターまでの距離が長くても短くても、そして、メーターから分電盤までの距離が長くても短くても、建築業者から電気工事業者に支払われる工事代金に変わりがなくなって来ているのが実情です。 
であれば、電気工事業者としては、できるだけ簡単に安く上がるように位置決めしたくなるのは人情で、それに対抗するには施主の強い要望以外にないのはお分かりかと思います。

業者任せにしておいて、後で後悔したり、完成した後でやり直しを要求したりするようなトラブルを避けるためにに、打ち合わせ段階からしっかりと電気の引き込み位置やメーターの位置などについても確認しておくようにしたいものです。


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