本文へスキップ

マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

業者選びについて 

「見積書の内容は細かいほど良い」

説明図

どの建築業者に依頼するのが良いかと比較する時には、やはり価格比較が重要になりますので、幾つかの業者に見積もりを作ってもらうことになります。

比較する為に複数の業者に見積依頼することを相見積もりといいますが、たくさんの業者に見積もりを頼んだほうが正確性が増すというわけで、「最低でも3件の業者から出来るだけ細かい見積書をとって比較すべきだ」という言葉を良く耳にします。

昔は、あまり相見積もりを取るといういう事は無かったように思います。
今のように表掲載ソフトも建築CADも電卓さえなかった訳ですから、一般住宅といえども、見積書を正しく作ることは大変な作業だったからです。

正しい見積書を作るためにはある程度の正確な図面が必要ですし、下請け業者からも見積もりをとらなければなりませんから、見積書の作成だけで1週間くらいかかるなんてことも当たり前でした。
そんな大変な作業ですから、一般の大工さんが建築作業の片手間にできる見積といえば、過去の経験から割り出した、「坪いくら」という所謂「どんぶり勘定」にならざるを得なかったわけです。

その当時は、正確な見積書を依頼するとい事事態、ほとんどその業者に仕事を頼むつもりでなければならない雰囲気も有りましたし、それだけの業務をするわけですから「見積書作成費用」を請求する業者も当然あったわけです。

そんな時代に、相見積もりをとるというのは、男女交際で「両天秤にかける」のと同様に、卑しむべき行為として見られやすく、実際に「相見積もりをするような人の仕事は受けない」という大工さんも結構いたと聞いています。

さて、現在はそんなこともなく、各住宅業者もパソコンがあり、見積もり専門ソフトも持ち、自社特有の見積もりシステムも構築して、あまり余分な手間をかけずに見積書を作成できるようになりました。
そんなことで、住宅の間取り作成から外観パースの作成及び見積書などは業者の方でも喜んで無料サービスしますので、建築主側からすれば、何の引け目も感じずに、いくらでも相見積もりを取れるようになりました。

さて、それでは本当に、相見積もりは出来るだけ数多く細かい見積もりを取れば良いのでしょうか。

住宅の見積もりを比較するというのは、実はそう簡単な事では有りません。
話を分かり易くするために例を上げて説明しましょう。
例えば、A社とB社とC社の基礎工事の見積もり書を見比べるものとします。

A社の見積書では
 
基礎工事一式:120万円

B社の見積書では

名称     呼称    数量    単価     金額
根ぎり    m3    32.38   1,200    38,852
埋め戻し   m3    19.92   1,200    23,900
残土処分   m3    12.46   3,000    37,380
客土     m3    0.00   5,000        0
敷き砂利   m3     3.21    7,000    22,476
捨コンクリート   m3     2.29   13,000    29,815
基礎コンクリート  m3    10.92   13,500    147,482
土間コンクリート  m3     0.58   13,200     7,635
コンクリート打手間 m3    13.80   4,000    55,186
ポンプ車費   式      1   80,000    80,000
型枠工事費  m2     103.55    4,500   465,980
鉄筋     Kg    529     150    79,321
防湿コンクリート  m2   106.11    1,500    159,159
コンクリートブロック  丁     62      450    27,900
天端均 し   m     84      500     41,983
ポリエチフィルム敷手間 m2  106.11    300     31,832
アンカーボルト 本     77      200     15,400
床下換気口  ヶ所     14     2,000     28,000
メッシュ筋  m2     7.23      800     5,784
消耗品、雑手間 式     1    20,000     20,000

                  小計 1,318,082円

さあどうでしょう
どちらの業者の見積もりを良しとするでしょうか。

金額的にはA社のほうが安い。
しかし、B社の方が正確で信頼できそうな気もする。
A者にB社と同じ書式で見積もりしてくれうように頼んでも、「見積システムが違うし、基礎の構造も異なるので出来ない」と言われる。
では、というので、C社に「B社のように細かい見積もりをしてほしい」と頼んだら、項目名も項目数も違うし、数量も単価も全く異なる見積書がでてくる。
そして、あなたの悩みは更に深まる ということになりかねません。

はっきり言って、建築関係者であっても、余程工事見積もりに精通した人でなければ見積書の比較は難しい作業なのです。まして、これから初めて家を建てようという素人の方には見積もり内容を詳しく比較するのは無理なのではないでしょうか。
結局、何社から見積もりをとっても、総金額がどれだけか、ということぐらいしか判断できないのではと思います。

私は、「見積書の細かい項目について価格比較する」と言う姿勢よりも、その見積内容に必要な項目が抜けること無く含まれているかどうかを、素人でも分かり易い形で提出してもらうことに主眼をおいたほうが良いように思います。

見積書を厳密に比較しようとすればするほど迷路に入ってしまうことを避けるためにも、細かく明細が書かれた見積書をもらうよりも、できるだけ細かい図面と仕様書を添付した見積書にしてもらうように依頼されることの方をお薦めします。


トップに戻るボタン

contents